1. 基礎知識
1-1 水の重さ
水は、1気圧のもと、約4℃で1cm3(1cc)の重さは、1gです。これを境に温度が±することで、水の重さは減少します(0℃で0.999g、10℃で0.999g、20℃で0.998g、30℃で0.995g)。給水装置に係る流量計算においての水の密度は、温度により若干異なるものの、一般に1g/ cm3、1000kg / m3として計算することが基本となります。
1-2 水圧
国際単位系(SI)で、水圧の単位はPa(パスカル)で表され、単位面積当りにかかる力であることから、他のSI単位で表すと1Pa=1N / ㎡となります。1N(ニュートン)は、1kgの物体に1m / szの加速度を生じさせる力で、1N=1kg・m・szで表されます。また、1重量キログラム(1kgf)は、1kgの質量を持つ物体が標準重量加速度のもとで受ける重力の大きさと定義されており、1kgf=9.8Nとなります。なお、従前のMKS重力単位系の圧力1kgf / ㎡は、9.8Paです。
なお、単位体積重量については、重力加速度を9.8m/szとすると9.8KN /m3となります。
以上をまとめると次のとおりです。
1Pa=1N/㎡
1N=1kg・m・sz
1kgf=9.8N 1000kgf=9.8KN
1kgf/㎡=9.8Pa 1kgf / c㎡=0.098MPa
単位体積重量w=ρ(水の密度)g(重力加速度)=1000kg/m3×9.8 / sz
=9.8KN /m3
そこで、水深10mの水底(1m×1m)の水圧を求めると、底面積上の水柱の重量÷底面積となるので
1 m×1m×10m×9.8KN/m3÷1 ㎡=98KN / ㎡ となり、1N / ㎡が1Paであることから、水深10mの水圧は、98KPa=0.098MPaとなります。これは、10mの高さまで水を押し上げることができる圧力ともいえます。(水深1mでは、0.0098MPa)
1-3 水頭
水が持つエネルギーを、水柱の高さとして表したものを水頭といいます。
水頭には、高度水頭、速度水頭、圧力水頭があり、それぞれが持つ水のエネルギーを水の単位体積重量で割ったもので次の式になります。
高度水頭 (ρ×g×h)÷(ρ×g)=h(m)
速度水頭 (ρ×vz /2)÷(ρ×g)=vz / 2g(m)
圧力水頭 p ÷(ρ×g)=p /ρg(m)
※ρ(水の密度kg/m3)、h(高さm)、v(速度m / s)、g(重力加速度9.8m/ sz)、p(水圧Pa)
1-4 水頭と水圧
水圧0.1MPaでの圧力水頭を求めるには、p/ρg=0.1MPa÷9.8KN/m3
=0.1×106Pa÷9.8×103N/m3
=10.2m となります
1-5 損失水頭
損失水頭とは、管水路あるいは開水路において、壁面の摩擦や屈曲部、断面の変化によって流れる水のエネルギーが消耗し、それによって損失となった水頭をいいます。給水装置での主な損失水頭は、水が給水管(装置)内を流れるときの管内壁の摩擦損失水頭やメータ、弁栓類、継手類の損失水頭で、その他のものは、計算上省略しても影響は少ないといえます
1-6 摩擦損失水頭
給水装置における摩擦損失水頭の計算(流量計算)には、次の公式があります。
(1) ウエストン公式
一般に管径100㎜以下のなめらかな管の摩擦損失水頭を求める公式です。
h = { 0.0126 + ( 0.01739 - 0.1087 d ) / √v } ×L / d×vz/ 2g
Q = dz / 4×v
hは管の摩擦損失水頭(m)、vは管内平均流速(m / s)、Lは延長(m)、dは管の実内径(m)、gは重力の加速度(9.8m / sz)、Qは流量(m3/ s)
(2)東京都水道局実験公式
管径10~50㎜のなめらかな小口径管の摩擦損水頭を求める公式で、実験結果に基づき導き出された実験公式です。この公式で算出された流量は、実流量に近似値で、計算も簡便です。
h = 8×10-5×L×Q1.785 / d4.86
Q = 196.4×d2.72 ×I0.56 , V = 250×d0.72×I0.56
hは管の摩擦損失水頭(cm)、Qは流量(cm3 / s)、Lは管長(cm)、dは管の実内径(cm)、Iは動水こう配(h / l : 長さl mに対する摩擦損失水頭h m、‰)、Vは管内流速(cm / s)
(3)ヘーゼン・ウイリアムス公式
一般に管径75㎜以上の大口径給水管の流量計算に用いられます。
h = 10.666×L×Q1.85 / (C1.85×d4.87)
Q = 0.27853×C×d2.63×I0.54
hは管の摩擦損失水頭(m)、Lは管長(m)、Qは流量(m3/ s)、dは管の実内径(m)、Cは流速係数(管内面の祖度によって異なり、新しいなめらかなビニル管で145~155,きわめて古い鋳鉄管で60~80)、Iは動水こう配(‰)
1-7 動水こう配
管水路の二点間における動水頭差(水が流れることによって生じる水頭の差は、損失水頭といえる。)をその距離で除したものをいい、一般に動水こう配の値を千分率(‰…パーミル)で表します。
動水こう配(I)、損失水頭(H)、距離(L)とすると
I = H / L × 1,000(‰) となります。
管延長10mの装置に水を流したとき、損失水頭が5mであった場合の動水こう配は、
I = 5m / 10m × 1,000(‰)= 500(‰) です。
反対に、管延長10mの装置に動水こう配500(‰)で水が流れたとき、その間の損失水頭は H= 500(‰)/ 1,000(‰)× 10m = 5(m) となります。
1-8 流量図表
流量図表とは、動水こう配と流量の関係を表したもので、1-6の各公式に基づき計算された流量表及び流量図があります。この流量図表を用いることで、計算の簡易化が図れます。
【概略流量表】(東京都水道局実験公式)
【概略流量図】
1-9 直管換算長
給水管路における直管以外の弁栓類、メータ、継手などの損失水頭について、損失水頭が等しくなる直管の長さに換算したものを直管換算長といいます。直管換算長を知ることによって、直管以外の器具等の損失水頭についても、管の摩擦損失水頭を求める公式から計算できることになります。
【直管換算長例】
種 類 |
口径(㎜) |
直管換算長(m) |
甲形止水栓 |
13 |
2.5 ~ 4.3 |
〃 |
20 |
4.8 ~ 7.4 |
横 水 栓 |
13 |
6.9 ~ 12.4 |
〃 |
20 |
9.4 ~ 13.5 |
ボールタップ |
13 |
17.8 ~ 52.5 |
スルース弁 |
13 |
0.6 |
〃 |
20 |
0.9 ~ 1.2 |
アングル止水栓 |
13 |
3.5 ~ 5.9 |
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2. 流量計算
2-1 流量計算の基礎
・管路を流れる流量を求める
管の口径が50mm以下の場合、基礎知識1-6での説明のとおり「ウエストンの公式」や「東京都水道局実験式」を用いて流量を求めることが出来ます。
・ウエストンの公式 |
手順① 有効水頭を求める
↓
手順② 管の延長(直管換算長)を求める
↓
手順③ 動水勾配を求める
↓
手順④ 東京都水道局実験式から流量を算出する
手順① 有効水頭を求める
有効水頭とは水のエネルギーを長さで表したものであり、1-4水頭と水圧での説明のとおり0.1MPa=10.2m(0.1MPa÷9.8KN/m3)となります。
配水管の水圧が0.2MPaなので有効水頭は20.4mになります。
配水管の位置を基準にすると蛇口は+2.0mの位置にあたります。
よって、有効水頭は
有効水頭=20.4m-2.0m= 18.4m
手順 ②管の延長(直管換算長)を求める
管の延長を求めるには、φ20mm管の長さとφ20mmの蛇口を直管に換算したときの長さを加算したものになります。管の長さは20.0m、φ20mmの蛇口の直管換算長は下記表より9.4mになります(最小値を使用)。
よって、管の延長は
管の延長=20.0m+2.0m+9.4m=31.4m
参考:水栓類の直管換算長
種 類 | 口径(㎜) | 直管換算長(m) |
甲形止水栓 |
13 | 2.5~4.3 |
20 | 4.8~7.4 | |
25 | 7.4~10.0 |
|
ストレート水栓 |
13 | 6.1~6.5 |
横 水 栓 |
13 | 6.9~12.4 |
20 | 9.4~13.5 | |
ボールタップ |
13 | 17.8~52.5 |
スルース弁
|
13 | 0.6 |
20 | 0.9~1.2 | |
25 | 0.4 | |
30 | 0.7 | |
40 | 0.7~1.4 | |
アングル止水栓 |
13 | 3.5 ~5.9 |
手順③ 動水勾配を求める
有効水頭= 18.4m
管の延長= 31.4m
よって、動水勾配は
動水勾配(‰)=0.58599×1000 =585.99‰(一般には、千分率 ‰…パーミルで表す)
手順④ 東京都水道局実験式から流量を算出する
流量(㎝3/秒) = 196×管の内径2.725(㎝)×動水勾配0.56
管の内径が2cm、動水勾配が0.58599
よって、流量は
流量=196×22.725×0.585990.56
=196×6.59×0.74
=955
流量=955(㎝3/秒)= 0.96(ℓ/秒)
2-2 給水方式
流量計算を行うには、給水方式を考慮し計算を行う必要があります。一般家庭への給水方式は三通りに分けることができます。
・配水管からの直圧直結方式
・増圧ポンプを経由する増圧直結方式
・受水タンクを設置しての受水タンク方式(貯水槽水道)
2-3 配水管からの直圧方式
2-3-1 計画使用水量の決定① 給水栓種類別吐水量と給水栓同時使用率を考慮し算定する方法
同時に使用する給水栓数を確認し、使用頻度または同時に使用することが想定される給水栓の吐水量を加算して同時使
用量を決定します。
表2-1【同時使用を考慮した給水栓数】
給水栓数(総数) | ||||||
同時使用する給水栓数 |
表2-2【種類別吐水量と給水栓具の口径】
台所流し | |||
洗濯流し | |||
洗面器 | |||
浴槽(和式) | |||
浴槽(洋式) | |||
シャワー | |||
*1小便器(洗浄タンク) | |||
小便器(洗浄弁) | |||
*2大便器(洗浄タンク) | |||
大便器(洗浄弁) | |||
手洗器 | |||
消火栓(小型) | |||
散水 | |||
洗車 |
*2 大便器(洗浄タンク) 1回(8~12秒)の吐水量 13.5~16.5 ℓ
表2-2【種類別吐水量と給水栓具の口径】は、給水栓から出る水の量を表記しているものであり、計画水量を表記しているものではありません。
◇給装研メモ
上記、表2-2【種類別吐水量と給水栓の口径】は、「厚生労働省給水装置データベース」でも公表されていますが、古くは昭和53年 朝倉書店 発行の「新版 給水装置ハンドブック」にも記載されています。
厚生労働省給水装置データベース
(http://kyuusuidb.mhlw.go.jp/tec/kyusuidb/KYU_Menu.html)
厚生労働省給水装置データベース
⇒ 関連情報のページ
⇒ 給水装置標準計画・施行方法
⇒ 「2・3計画使用水量の決定」に記載されています。
② 給水栓種別に係わらず口径によって算定する方法
同時に使用する給水栓数を確認します。給水栓の種類に係わらず、口径別に吐水量を一律に扱い、同時使用量を決定 します。
表2-3【給水用具の標準使用水量】
給水栓口径 | |||
標準流量(ℓ/分) |
③ 給水用栓数と同時使用水量比から算定する方法
全ての給水栓の使用水量を合算したものを給水用栓数で割戻し、給水栓1栓の平均使用水量を算出し、同時使用水量比 から同時使用水量を決定します。
表2-4【給水用栓数と同時使用水量比】
総給水用具数 | |||||||||||||
同時使用水量比 |
【参考例1】
[検証]
【参考例1】から同時使用水量(計画水量)を求める
① 給水栓種類別吐水量から算定する場合
・同時使用する給水用栓数を確認する
「表2-1」より、同時使用する給水用栓数は3栓
使用頻度または同時使用の高い給水栓を確認する
台所、洗濯流し、浴室
・給水栓から使用水量を確認する
「表2-2」より
使用水量=台所+洗濯流し+浴槽
=12+12+20=44
使用水量= 44 ℓ/分
※給水管の口径はφ20mmではあるが蛇口自体の口径はφ13mmである。
表2-2【種類別吐水量と給水栓の口径】の使用水量から、最小値を使用することとする。
② 給水栓種別に係わらず口径によって算定する方法
・同時使用する給水用栓数を確認する
「表2-1」より、同時使用する給水用栓数は3栓
・給水口径から使用水量を確認する
「表2-3」より
使用水量=3×17
=51
使用水量=51 ℓ/分
※給水管の口径はφ20mmではあるが蛇口自体の口径はφ13mmであるため表2-3
【給水用具の標準使用水量】の給水栓口径φ13mmの標準流量を使用する。
③ 給水栓数と同時使用水量比から算定する方法
・給水栓の全使用量の平均値を確認する
「表2-2」より
平均使用水量=(12+12+20+ 8+ 8+12+12)/7
=84/7
=12
平均使用水量=12.0 ℓ/分
※給水管の口径はφ20mmではあるが蛇口自体の口径はφ13mmである。
表2-2【種類別吐水量と給水栓の口径】の使用水量から、最小値を使用することとする。
・同時使用水量比から同時使用水量を求める
「表2-4」より
同時使用水量=平均使用水量×同時使用水量比
=12.0×2.6
=31.2
同時使用水量=31.2 ℓ/分
[検証報告]
三通りの方法を用いて、一戸建て住宅への同時使用水量を求めた結果が下記の通りです。どの方法が正しいのか、間違っているのかを検証したものではありません。ここで考えなければならないのは、近年、ECOや省エネといった環境負荷の少ない商品(節水給水器具など)が普及している中で、生活実態に応じた使用器具を選定し、どの程度の水量が求められるのか必要水量を見直す時期に来ているものと考えます。
① 給水栓類別吐水量から算定する場合 | |
② 給水栓種別に係らず口径によって算定する場合 | |
③ 給水栓数と同時使用水量比から算定する方法 |
[給装研の考え]
給装研としては現在の使用実態等を踏まえ、上記、表2-2【種類別吐水量と給水栓の口径】よりかなり低い数値ではありますが、「BL(ベターリビング優良住宅部品認定基準)標準流量」を用いることが好ましいと考えます。ただし、使用目的、使用実態及び使用器具により異なることから、求められる水量の検討が必要となります。
BL標準流量(表2-5【各水栓からの必要吐出量及び給水圧】)を用いて[参考例1]の同時使用を求めると下記のようになります。
同時使用水量=台所+洗濯流し+浴槽
= 6 + 6 + 8 =
= 20
同時使用水量= 20 ℓ/分
表2-5【各水栓からの必要吐出量及び給水圧】
※流量計算を行う上では、末端の給水栓の種別を確認し、その給水栓の給水圧を損失水頭として計上します。
2-3-2 損失水頭の確認
計画使用水量から給水栓を同時使用したとき、末端給水栓までの損失水頭(管の摩擦損失水頭、器具損失水頭等と高低差を考慮)と設計水頭を比較し、設計水頭が損失水頭より上回っていることを確認します。
設計水頭 > 末端給水までの摩擦損失水頭+所要水頭・・・適 当
設計水頭 < 末端給水までの摩擦損失水頭+所要水頭・・・不適当
※所要水頭とは、給水栓を使用するに当たっての必要水頭になります
摩擦損失水頭の求め方
摩擦損失水頭を求める際、一般的には口径50mm以下の場合はウエストンの公式や、東京都水道局実験式を用います。口径が75mm以上の場合はヘーゼン・ウィリアムスの公式を用います。
※公式については、1-6摩擦損失水頭を参照
【参考例 Ⅰ】給水管の口径は全て20mmとするが蛇口の口径はφ13mmとし検証する
[検証] ① 給水栓種類別吐水量から算定する場合
・同時使用する給水栓数を決定する
「表2-1(同時使用を考慮した給水栓数)」より、
同時使用する給水栓数=3栓
・使用頻度または同時使用の高い給水栓を確定する
台所、洗濯流し、浴室
・給水栓から使用水量を確定する
「表2-2」より
台 所 12 ℓ/分=0.20 ℓ/秒
洗濯流し 12 ℓ/分=0.20 ℓ/秒
浴槽(洋式) 20 ℓ/分≒0.33 ℓ/秒
・同時使用した際の給水経路を確認する
給水管立面図に給水経路を図示する
・給水管流量計算表を使用し、末端で給水栓での必要水頭を求める。
[検証条件]・給水栓種類別吐水量の最小値を使用
・損失水頭の算出に東京都水道局実験式を使用
サドル分水栓 | |||||||||
分水栓~仕切弁 | |||||||||
仕切弁 | |||||||||
メータ | |||||||||
メータ~ A | |||||||||
A~B | |||||||||
B~C | |||||||||
台所(横水栓) | |||||||||
小計① | |||||||||
安全率(10%) | |||||||||
必要水頭(器具) | |||||||||
合計 |
区間及び器具:配水管から末端の給水器具までの経路で、給水用具(サドル分水栓、仕切弁、メータ等)及び流量の変化点(区間)を記入する。
【参考例Ⅰ】の検証の結果、当該給水装置で満足する使用水量を確保するためには、配水管で19.27m以上の水頭が必要となります。(水圧では、0.197MPa以上)
口 径 :区間及び器具の口径を記入する
栓 数 :住居内の給水用具数(蛇口数)を記入する
※浴室-1、浴槽-1、洗濯-1、洗面-1、1階トイレ-1、2階トイレ-1
台所-1 計7栓
同時開栓:区間及び器具における同時開栓数(同時に使用している給水用具数)を記入する
※A~Bについては、台所、洗濯を同時開栓している状態なので、同時開栓数は2箇所となる
使用水量:各給水用具の使用水量を記入する
※B~C区間では、台所が開栓状態になるため台所の使用水量 0.2ℓ/秒を記入する
※A~B区間では、洗濯が開栓状態になるため洗濯の使用水量 0.2ℓ/秒を記入する
流 量 :区間及び器具における、使用水量の累計を記入する
管延長 :各区間での管の総延長、用具については給水用具の直管換算長を記入する
※B~C区間では、8.3 + 2.3 + 2.2 +4.6 + 0.7 + 1.1 = 19.2となる
動水勾配:東京都水道局実験式、Q=196・D2.725・I0.56 より動水勾配を求める
高 低 差 :各区間での高低差を記入する
※B~C区間での高低差は、4.6 + 1.1 = 5.7となる
損失水頭 :各区間での損失水頭は、管延長×動水勾配(‰)/1,000+高低差
各給水用具の損失水頭は、直管換算長×動水勾配(‰)/1,000
安 全 率 :曲管の損失や経年劣化等、安全性を考慮し全損失水頭の10%を加算する
(設計者等の判断により、安全率を計上する)
必要水頭(器具):給水器具を快適に使用するための必要水頭(3~7m)を加算する
損失水頭を算出する上で必要な各種給水用具の直管換算長の参考資料
分水栓 |
仕切弁 |
メータ |
メータ |
逆止弁 |
|
1.0~2.0 | 3.3 | ||||
0.3~5.0 | 6.5 | ||||
0.6~5.1 | 21.1 | ||||
0.8 | 14.3 | ||||
0.3~2.8 | 39.5 | 15.0 | |||
0.4~1.6 | 12.6 |
[給装研の考え]
給装研が好ましいと考えている使用水量(「BL標準流量」)を適用した場合が、下記、給水管流量計算表の結果になります。使用水量の違いにより、末端給水器具で求められる必要水頭の数値も異なってきます。生活実態や使用実態を把握することで使用水量を確定し、必要水頭を求めることが好ましいと考えます。ECOや省エネといった環境負荷の少ない商品(節水給水器具など)が普及している反面、食器洗浄機やタンクレストイレ等、水圧の必要な商品が使用されている現実もあります。そこで、給水器具を快適に使用できるよう給水器具の必要水頭として3~7mの水頭を確保することが必要と考えています。
[条件]・BL標準流量の平均値を使用
※台所+洗濯機+浴室= 6 + 6 + 10= 22 ℓ/分
・損失水頭の算出に東京都水道局実験式を使用
サドル分水栓 | |||||||||
分水栓~仕切弁 | |||||||||
仕切弁 | |||||||||
メータ | |||||||||
メータ~ A | |||||||||
A~B | |||||||||
B~C | |||||||||
台所(横水栓) | |||||||||
小計① | |||||||||
安全率(10%) | |||||||||
必要水頭(器具) | |||||||||
合計 |
【参考例Ⅰ】で、BL標準流量を使用した場合の検証の結果、当該給水装置で満足する使用水量を確保するためには、配水管で13.338m以上の水頭が必要となります。(水圧では、0.136MPa以上)